台湾の大学サイト・募集要項の読み方|民国暦・学程・CEFRなど、知っておきたい用語
更新日:6 分前
台湾の大学を調べていると、「116學年度」「學士學位學程」「CEFR A2」など、見慣れない言葉が出てきます。
漢字から何となく意味を想像できても、日本語と同じ意味とは限りません。今回は、大学の概要や募集要項を読むときに知っておきたい言葉を、具体例とともに整理します。
目次
1. 民国暦と学年度|「116年」は西暦何年?

台湾の大学では、西暦だけでなく「民國」という年の数え方が使われます。民国元年は1912年。民国の年に1911を足すと、西暦に換算できます。
民國114年=2025年
民國115年=2026年
民國116年=2027年
民國117年=2028年
たとえば「116年9月」は2027年9月です。
ここで、もう一つ知っておきたいのが「學年度」。これは暦の一年ではなく、大学の年度です。一般的には秋から翌年の夏にまたがります。
表記 | 読み方の例 |
115學年度第1學期/115-1 | 2026年秋の学期 |
115學年度第2學期/115-2 | 2027年春の学期 |
116學年度第1學期/116-1 | 2027年秋の学期 |
116學年度第2學期/116-2 | 2028年春の学期 |
つまり「115」と書いてあっても、第2学期なら2027年になるのです。「年」と「学年度」を分けて読むと、入学時期をつかみやすくなります。
「秋季班」は秋入学、「春季班」は春入学の募集で使われる表現です。授業開始は一般に秋が9月ごろ、春が2月ごろ。入学月と出願する月は別なので、募集要項では「申請期間」まで確認しましょう。
2. 学院・学系・学程|何を学び、どんな学位を取る?
大学の組織を表す言葉も、日本語と少し違います。
台湾の表記 | 意味の目安 |
學院 | 日本の「学部」に近い、学問分野ごとのまとまり |
學系/系 | 日本の「学科」に近い単位 |
學士班/大學部 | 学部段階の課程。学士の学位を目指す |
碩士班 | 修士課程 |
博士班 | 博士課程 |
では、「學程」は何でしょうか。
「學程(学程)」は、ある分野を学ぶための教育プログラムを指す中国語です。大学の案内では、主に次の二つを区別して読むと分かりやすくなります。
學士學位學程:出願先として選び、必要な科目・単位を修めて学士号を取るプログラム。日本の「学科」に近い役割を持ちます。
學分學程:在学中に、ある分野の科目をまとめて履修する仕組み。修了すると単位の証明が発行されます。これだけで新たな学士号を取るものではありません。
出願先の一覧にある「學士學位學程」は、大学で学位を取るための選択肢です。一方、在学生向けの「學分學程」は、学びを広げる科目の組み合わせ。どちらも「学程」と呼びますが、役割が異なります。
台湾留学JPの記事では、正式名称を紹介したうえで、日本語の本文では「学士課程」「プログラム」など、内容に合った言葉で説明していきます。
3. CEFRとTOCFL|語学力の基準と試験の違い

CEFR(セファール)は、語学力がどの段階にあるかを示す「共通の目盛り」です。日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼びます。
A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階で表します。TOCFLは中国語の試験の名前で、その結果もCEFRのレベルに対応しています。下の表では、中国語のTOCFLと英語の英検を、同じCEFRの段階に並べています。

CEFR | その言語でできることの例 | 中国語:TOCFLの証書等級 | 英語:英検の合格水準の目安 |
A1 | 相手がゆっくり話してくれれば、自己紹介や簡単な質問のやりとりができる | 入門級・Level 1 | 3級 |
A2 | 買い物や道案内など、身近な場面で短いやりとりができる | 基礎級・Level 2 | 準2級・準2級プラス |
B1 | 身近な話題の要点を理解し、経験や希望を理由とともに説明できる | 進階級・Level 3 | 2級 |
B2 | 複雑な話題の要点を理解し、自分の意見を詳しく伝えて議論できる | 高階級・Level 4 | 準1級 |
C1 | 長く難しい文章や言外の意味を理解し、学問・仕事の場面でも柔軟に表現できる | 流利級・Level 5 | 1級 |
C2 | 聞いたり読んだりした内容を幅広く理解し、細かなニュアンスまで表現できる | 精通級・Level 6 | 対応する級なし |
中国語のA2なら、たとえばこんな場面が目安になります。
店で欲しいものを伝え、値段を尋ねる
家族や学校生活について、短い言葉で説明する
短くはっきりした案内やメッセージの要点をつかむ
英検の欄は、各級の合格水準を比べるための目安です。自分のCEFRは、成績表のCSEスコア・CEFR表示で確認できます。
出願案内では、CEFRで必要なレベルを書いている場合と、TOCFLなどの試験名・級や点数で書いている場合があります。
たとえば「中国語CEFR A2以上・TOCFLで証明」と書かれていれば、TOCFLの基礎級(Level 2)以上の成績を提出する、という読み方です。
出願先の欄で見るのは「試験名」「必要な級・点数」「聴解・読解などの受験科目」の三つです。どの試験の、どの科目の成績を提出するかは、大学・学科の募集要項で確認できます。
4. 授業言語|「英語の授業がある」と「英語だけで学べる」
「授課語言」は授業で使う言語です。「華語」「中文」は中国語を指す言葉として使われます。
「全英語授課」「部分英語授課」は、台湾の大学案内で使われる中国語(繁体字)の表記です。日本語では、次の意味になります。
全英語授課:すべての授業を英語で行う
部分英語授課:一部の授業を英語で行う
EMI:English-Medium Instructionの略。英語を使って専門科目を教えること
英語の科目があることと、英語での受講だけで卒業に必要な条件を満たせることは、分けて考えたいところです。必修科目、一般教養、語学科目まで含めて、どの言語で学ぶのかを見ると、入学後の姿が具体的になります。
5. 募集要項・願書・出願書類の言葉
「招生簡章」は募集要項。出願資格、日程、選考方法、必要書類などをまとめた案内です。「入學申請表」「報名表」は願書・申請フォームを指します。
台湾の表記 | 日本語でいうと |
申請資格 | 出願資格 |
申請期間/報名期間 | 出願期間 |
應繳文件 | 提出が必要な書類 |
歷年成績單 | 在学期間全体の成績証明書 |
畢業證書/畢業證明書 | 卒業を証明する書類 |
自傳 | これまでの経験・学習歴・関心などを伝える自己紹介文 |
讀書計畫 | 学習計画書。志望理由や入学後の学びなどを書く |
推薦信 | 推薦状 |
財力證明 | 学費・生活費を支払う資力を示す証明 |
語言能力證明 | 語学力の証明 |
面試 | 面接 |
放榜/錄取公告 | 合格発表 |
報到 | 合格後の入学意思の回答や所定の手続き |
註冊 | 入学・学期の登録手続き |
「讀書計畫」は、日本語では「学習計画書」にあたります。「なぜその大学・学科を志望するのか」「入学後に何を学びたいか」を、カリキュラムと結びつけてまとめます。
また、必要書類は全学共通の一覧だけでなく、「系所指定應繳文件」など、学科ごとの追加書類の欄にも出てきます。
6. 科目・副専攻・ダブルメジャーの言葉
「課程」は文脈によって、個々の授業やカリキュラムを指します。「課程地圖」は、科目のつながりや学ぶ順序を見るためのカリキュラムマップです。
必修:卒業などのために必ず履修する科目
選修:選んで履修する科目
學分:単位
輔系:副専攻。主専攻に加え、別の学科の所定の科目を学ぶ制度
雙主修:ダブルメジャー。二つの専攻の修了条件を満たすことを目指す制度
他学科の授業を一つ受けることと、副専攻・ダブルメジャーを修了することは別です。「どの授業に興味があるか」から見始め、その先にどんな学び方があるかを探してみましょう。
7. 学費・単位費・奨学金の言葉
費用の表には、似た言葉が並びます。
學費:授業料
雜費:大学が定める教育関連の諸費用
學雜費:授業料と諸費用をまとめた表現
學分費:単位ごとの授業料
住宿費:寮などの宿泊費
獎學金:奨学金
學雜費減免:授業料・諸費用の減額や免除
生活津貼:生活費の補助
たとえば「1學分2,000元」なら、3単位の科目は6,000台湾元という計算です。これは計算方法を示す架空の例で、実際の大学の料金ではありません。
すべての学生が、学費とは別に単位費を払うわけではありません。料金表では、自分が出願する課程と学年の欄を見ます。
また、学費の免除と、生活費が支給される奨学金は別の支援です。「何の費用が、どの期間、どのくらい支援されるか」が分かると、費用を比べやすくなります。
8. 用語を知ると、大学選びが具体的になる
募集要項は、最初からすべてを読もうとすると難しく感じるかもしれません。
まずは「いつ入学する募集か」「何を学び、どんな学位を取るか」「どの言語で学ぶか」。続いて、出願に必要な書類と費用を見ていくと、情報を整理しやすくなります。
気になる学科を見つけたら、実際の科目も二つ、三つ選んでみましょう。名前の印象だけでなく、自分がその大学で学ぶ姿を想像するきっかけになるはずです。
※本記事・関連記事は、それぞれの公開・更新時点の情報です。出願条件やカリキュラム、費用などは変更されることがあります。出願時には、志望大学・学科の最新の募集要項・公式案内をご確認ください。




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