中国語を学ぶ、その先へ|国立台北大学「創新華語文教學」で広がる学び
更新日:20 時間前
「台湾の大学に行きたい。でも、中国語で専門の授業についていけるか心配」
そんなとき、語学学校に通ってから大学へ進む方法だけでなく、学士課程の中で中国語の力を育てていくプログラムも見てみたいですね。
今回紹介するのは、国立台北大学の「創新華語文教學學士學位學程(ITCSL)」です。名前だけを見ると、中国語の先生になるための学科なのかな、と感じるかもしれません。実際のカリキュラムには、中国語の学習を土台に、ほかの専門分野へ学びを広げる仕組みもあります。
目次
ITCSLの基本情報
国立台北大学のITCSLは、外国人留学生のための4年制学士課程です。中国語の力を育てながら、中国語教育や自分の関心分野へ学びを広げていくことを目指しています。
項目 | 内容 |
大学 | 国立台北大学(National Taipei University) |
所属学院 | 永續創新國際學院 |
プログラム名 | 創新華語文教學學士學位學程(ITCSL) |
学位・標準修業年限 | 学士・4年 |
主な学習言語 | 中国語。中国語の集中学習から、中国語で専門科目を履修する段階へ進みます。 |
キャンパス | 三峡キャンパス(新北市三峡区大学路151号) |
主な対象 | 高校卒業資格を持つ外国人留学生 |
入学前の中国語力 | 公式紹介はCEFR A2以上。2027年春入学要項はTOCFL Level 2以上相当。 |
語学研修ではなく、留学生のための4年制学士課程
大学の公式紹介では、ITCSLは留学生向けの4年制学士課程とされています。短期の語学留学や、大学入学前だけの準備コースとは異なります。
つまり、中国語を学ぶ時間も含めて、卒業までの学びを考えるプログラムです。「中国語が伸びたら別の学科へ自動的に移れる」という意味ではありません。どの学位を取得し、どんな専門性を育てたいかを考えながら選びたいですね。
前半は中国語をしっかり、後半は学びを広げる
公式のプログラム紹介では、1・2年次に週16時間以上の集中的な中国語授業を配置すると説明されています。聞く・話す・読む・書く力に加え、大学での学習や仕事の場面で使う中国語も育てます。
3・4年次は、中国語教育に関する専門科目を学びながら、関心に応じて学内の各学科が開く中国語の授業を選択する構成です。公式紹介には、ビジネス、観光、文化交流などの分野が例として挙げられています。
「中国語を勉強する」から、「中国語を使って興味のあることを学ぶ」へ。四年間の流れをそう捉えると、学科名だけでは見えなかった特徴が分かります。

中国語の先生を目指す人だけの選択肢?
課程特色のページでは、中国語教師を目指さない学生にも対応する柔軟性が説明されています。また、デジタル教材や教育技術に関係する授業も紹介されています。
言葉を教えることに興味がある人はもちろん、中国語と自分の関心分野をどう組み合わせたいか考えている人にも、カリキュラムを見てほしいプログラムです。
ほかの分野を体系的に学ぶ方法には、副専攻やダブルメジャーもあります。
副専攻(輔系)は、主専攻に加えて、別の学科で定められた科目・単位を修める制度です。ダブルメジャー(雙主修)は、主専攻に加えてもう一つの学科の専門必修科目などを修め、二つの専門分野を学ぶ制度です。
台湾留学JPの留学生活レポートでは、国立台湾師範大学で学ぶ先輩が、中国語分野の副専攻を視野に入れている様子を紹介しています。
アート・デザインを取り上げた記事では、ダブルメジャーでデザインとビジネスなど、異なる分野を組み合わせる学び方を紹介しています。
組み合わせや履修条件は大学・学科ごとに異なります。国立台北大学での制度は、大学の案内から見てみましょう。
実際の科目表を見ながら、受けてみたい授業を二つ、三つと選んでみましょう。その授業で何を学び、将来どんなことに使ってみたいか。自分の学びたいこととつながるか、想像してみたいですね。

実際の時間割を見ると、学びがもっと具体的になる
公式サイトには「115-1(2026秋季班)」の時間割が掲載されています。中国語の授業だけでも、初級・中級・中上級・高級とレベル別に並び、発音や会話、聞く・話す、読む・書くといった力を育てる科目が見られます。
そのうえで、次のような授業も載っています。日本語名は内容をつかむための仮訳です。
・旅遊華語 B1:観光・旅行の中国語
・商務華語 B2:ビジネス中国語
・商業報導選讀 B1:ビジネスに関する記事の講読
・自媒體華語創作 B1:個人メディアでの中国語コンテンツ制作
・臺灣的歷史與文化:台湾の歴史と文化
・華語文教學導論:中国語教育入門
・漢語語言學概論:中国語言語学概論
たとえば、旅行が好きなら「旅遊華語」、お店や企業の仕事に関心があるなら「商務華語」、発信することが好きなら「自媒體華語創作」が気になるかもしれません。言葉を覚えるだけでなく、自分の興味のある場面で使う中国語へと学びを広げるイメージが湧いてきます。
中国語教育に関心がある人には、「華語文教學導論」や「漢語語言學概論」などもあります。時間割では、青字の科目は教える力に関する分野として区別され、中国語力CEFR B2以上での履修が推奨されています。
ここで紹介しているのは2026年秋学期の掲載科目です。B1・B2は同表の表記で、全員が同じ科目を履修するという意味ではありません。開講年度や履修条件も確認し、実際のカリキュラムと自分の学びたいことがつながるか想像してみましょう。
入学前の中国語力と、入学時期を確認しよう
公式のプログラム紹介には、高校卒業資格とCEFR A2以上の中国語力が示されています。大学で中国語を学べるからといって、入学前の準備が必要ないわけではありません。
2027年春入学(2027年2月)の出願日程
2027年春入学の公式募集要項に掲載された日程です。ITCSLの学士課程を募集しています。
項目 | 日程 |
出願期間 | 2026年9月3日~10月31日 |
結果発表 | 2026年12月9日 |
授業開始 | 2027年2月22日 |
秋入学(9月)の出願時期|過去の例
2025年9月入学の公式募集要項では、次の日程でした。
項目 | 日程 |
出願期間 | 2024年12月30日~2025年3月31日 |
結果発表 | 2025年5月7日 |
授業開始 | 2025年9月8日(当時の予定) |
春入学は2月、秋入学は9月に始まります。上の表では、春入学は前年の秋、秋入学は前年末から春が出願時期でした。2027年9月入学の日程は確認できず、新しい秋入学の募集要項で確認していきましょう。
春入学の場合、卒業はいつ?
ITCSLの修業規定では、修業期間は4年で、卒業には少なくとも128単位が必要です。ただし、春入学者の具体的な卒業月や必修科目の履修順序は、今回確認した公式資料では分かりませんでした。春入学を考えるときは、入学時期とあわせて卒業までの履修計画も確認しておきたいですね。
出願に必要な書類は?|2027年春入学
以下は、2027年2月入学の公式募集要項の共通書類と、ITCSLの学科別指定を合わせた一覧です。2027年9月入学の書類・条件は、秋入学の募集要項で確認していきましょう。
書類 | 準備する内容 |
顔写真 | 2インチの脱帽写真。JPGでアップロード。 |
誓約書(具結書) | 募集要項の様式を印刷・署名し、PDFにします。 |
国籍を証明する書類 | パスポートなど。身分条件に応じて追加証明が必要な場合があります。 |
高校の卒業証明書など | 卒業証明書または同等の学歴証明。卒業前の場合は学校発行の卒業見込証明書。 |
高校の成績証明書 | 高校の全在籍期間の成績証明書。 |
財力証明 | 直近3か月以内の銀行残高証明(20万台湾元または6,500米ドル以上)、または奨学金証明。 |
学習計画(讀書計畫) | 中国語または英語で、志望理由と学習計画を記載。 |
推薦状 | 学校の先生や雇用主によるものを2通以上。中国語または英語。 |
自伝 | ITCSL指定。中国語または英語で作成。 |
中国語力の証明 | ITCSL指定。TOCFL Level 2以上に相当する証明。 |
その他の参考資料 | 審査の参考になる実績や証明など。提出は任意。 |
財力証明が本人名義でない場合は、支援者の署名入り声明も添えます。申請者との関係と、台湾での留学費用を負担することを記載します。
翻訳・認証と提出形式
募集要項では、学歴証明と成績証明について台湾の在外代表処などによる認証が必要とされています。日本語の書類は、公証を受けた中国語または英語の翻訳も添えます。写真以外の書類はPDFでアップロードし、出願システムで内容を確認して確定します。
中国語の試験が出願期限に間に合わない場合
ITCSLの公式申請案内には、試験が期限に間に合わない場合、手元の証明や学習時間の説明を提出し、入学後に受験する方法も紹介されています。この方法を利用する場合の扱いは、大学に確認しておきましょう。
ITCSLの奨学金を見てみよう
2026年10月22日の確認時点では、公式の費用・奨学金案内図に、新入生向けの「新生入學獎學金」と在学生向けの「在學生獎助學金」があり、最大50,000台湾元と紹介されています。入学時の支援と在学中の支援を分けて見てみましょう。
対象者や申請方法、支給条件も、公式案内で確認していきましょう。
大学の名前の先に、四年間の学びを見てみよう
大学選びでは、知名度や入学時の語学条件だけでなく、入ってから何を学べるかも大切です。
ITCSLを見るときも、「中国語をどこまで伸ばしたいか」「どんな専門分野と組み合わせたいか」を一緒に考えてみましょう。語学の学習が目的になるのか、その先の学びへつながるのか。自分の希望と照らし合わせることで、進学先を選ぶ視点が増えていきます。
※本記事・関連記事は、それぞれの公開・更新時点の情報です。出願条件やカリキュラム、費用などは変更されることがあります。出願時には、志望大学・学科の最新の募集要項・公式案内をご確認ください。




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