国立台湾大学D-Schoolとは?未来大学・学位プログラムとの違いを整理
更新日:2026年10月28日想定URL:https://www.taiwanryugaku.jp/post/2026-ntu-dschool-future-ntu-guide

国立台湾大学の情報を調べると、「D-School」「未来大学」「創新領域学士学位プログラム」「学分学程」など、似ているようで役割の違う言葉が出てきます。
高校からD-Schoolへ直接出願するのでしょうか。未来大学へ入学してからD-Schoolの授業を選ぶのでしょうか。
結論からいうと、未来大学とD-Schoolは、高校生が直接出願する学科名ではありません。
まず国立台湾大学の財務金融学系、経済学系、工学系など、国際学生入試の対象となる学士課程へ出願します。D-Schoolの科目や学内プログラムは、基本的に台湾大学へ入学した後の選択肢です。
この記事では、D-Schoolが何をする学院なのか、未来大学や創新領域学士学位プログラムとは何が違うのかを、順番に見ていきましょう。
目次
D-Schoolとは何をする学院?
未来大学とD-Schoolの関係
学士課程・学分学程・学位プログラムの違い
D-Schoolの中には何がある?
創新領域学士学位プログラムとは
移地学習と専題実作とは
一つのテーマを複数分野から考える
高校生はどのような順序で進路を考える?
公式情報
D-Schoolとは何をする学院?
D-Schoolの正式名称は、国立台湾大学創新設計学院です。
D-School公式英語ページは、学習者を中心に複数分野をつなぐ教育・研究環境を目指すと説明しています。
授業では、工学、情報、社会科学、デザインなど、所属学科の異なる学生が一緒に学びます。社会や企業の課題を調べ、必要な人へ話を聞き、提案や試作品を作り、検証し、発表する科目があります。
D-Schoolは一つの授業名ではありません。通常の科目、テーマ別の科目群、起業やリーダーシップを学ぶ履修プログラム、企業・地域とのプロジェクト、学位につながるプログラムなどを運営する学院です。
未来大学とD-Schoolの関係

未来大学(Future NTU)は、台湾大学全体の教育制度や学び方を見直すための改革計画です。学部、学科、コースの名前ではなく、「未来大学へ出願する」「未来大学へ入学する」という制度でもありません。
D-Schoolは、台湾大学の中で科目や学内プログラムを運営する学院です。未来大学という学校へ入学してからD-Schoolへ進むわけではありません。
高校生は、まず台湾大学の国際学生入試で、学位を取得できる学士課程へ出願します。入学後、D-Schoolの科目や学内プログラムを検討します。
学士課程・学分学程・学位プログラムの違い

学士課程
高校卒業後に進学し、卒業要件を満たすと学士の学位を取得できる大学の課程です。財務金融学系、経済学系、工学系などが例です。国際学生入試では、各学科の出願条件を確認して出願します。
学分学程
主専攻に加えて、指定された科目をまとめて学ぶ学内の履修プログラムです。学分学程だけで学士の学位を取得する制度ではなく、卒業時の学位は所属する学士課程で取得します。
台湾留学JPの「国立政治大学で起業を学ぶ」の記事でも、創新創業学程について「主専攻に加えて起業・イノベーション分野を体系的に学ぶための学内プログラム」と説明しています。
学位プログラム
修了要件を満たすと、学位取得につながる教育課程です。D-Schoolの中では、創新領域学士学位プログラムがこれに当たります。
ただし、創新領域学士学位プログラムは、日本の高校から直接出願する国際学生入試の学科ではありません。台湾大学で1学年を修了した後、転系またはダブルメジャーとして校内申請します。
創新領域学士学位プログラムは「学分学程」の一例ではありません。創意創業学分学程、リーダーシップ学分学程とは、学位との関係が異なります。
D-Schoolの中には何がある?
D-School公式の2025年の紹介記事は、中心的な制度として次の四つを挙げています。
1.創新領域学士学位プログラム
自分で設定したテーマを中心に、複数分野の科目を組み合わせ、学位取得を目指すプログラムです。台湾大学へ入学後、1学年を修了してから校内申請します。
2.創意創業学分学程
起業やイノベーションを学ぶ履修プログラムです。学士の学位は所属する学士課程で取得し、起業の科目や実践を追加して学びます。
3.リーダーシップ学分学程
組織やチームを動かすための考え方と実践を学ぶ履修プログラムです。これも学分学程であり、学位名が変わる制度ではありません。
4.探索学習計画
学生が在学したまま学外の活動や現場で学び、その経験を大学での学修へつなげる制度です。D-School公式サイトでは、最長2学期まで学外で学ぶ仕組みと、2単位の探索学習科目が案内されています。
このほか、D-Schoolが開講する通常科目、テーマ別に科目をまとめた「領域専長」、企業と課題に取り組む授業などがあります。年度や学期によって開講内容と申請条件が変わるため、入学後に最新情報を確認します。
創新領域学士学位プログラムとは
創新領域学士学位プログラムでは、学生が自分の「創新領域テーマ」を設定し、そのテーマに必要な科目を組み合わせて履修計画を作ります。
公式案内では、卒業に必要な128単位のうち90単位を、自分で設定したテーマに合わせて組み立てると説明されています。学習コーチや指導教員の支援を受けながら、複数分野の科目、現場での学習、プロジェクトに取り組みます。
高校から直接出願する制度ではない
申請資格として、台湾大学の学士課程に在籍し、1学年を修了して2学期分の成績があることが示されています。
申請方法は次の二つです。
転系:所属する学科・学位プログラムを変更する制度。日本の大学の「転学科」に近い考え方
ダブルメジャー:現在の主専攻に加えて、創新領域学士学位プログラムの修了要件にも取り組む方法
書類審査と面接があり、台湾大学へ入学すれば自動的に所属できる制度ではありません。
移地学習と専題実作とは
「移地学習」と「専題実作」は、創新領域学士学位プログラムの必修科目名です。一般のD-School科目を履修する学生全員に必要という意味ではありません。
移地学習(Off-Site Study)
大学の教室だけで考えるのではなく、自分のテーマに関係する地域、企業、学校、NPOなどの現場へ入ります。人や環境を観察し、話を聞き、当初の考えと実際の状況の違いを確かめながら、テーマへの理解を深める授業です。
単に別の場所へ旅行することではありません。学生が学ぶ現場と目的を考え、教員と相談しながら進めます。
専題実作(Special Topics)
自分で設定したテーマについて調査し、必要な人と協力しながら、具体的な成果を作って検証する授業です。
成果は製品だけではありません。教材、サービス、制度案、展示、イベントなど、テーマによって形が変わります。「実作」は、物を作ることだけではなく、考えた方法を実際に試し、結果を確認して改善する学びです。
一つのテーマを複数分野から考える

※この図は、D-School公式が示す個別の履修モデルではなく、複数分野を組み合わせる考え方を台湾留学JPが整理した例です。すべての分野を一人で専攻するという意味ではありません。
たとえば「高齢者の生活を支える製品を考えたい」というテーマでも、複数の入り口があります。
機械工学:安全な構造や製品の動きを考える
情報:センサー、データ、AI、アプリの仕組みを考える
心理:利用する人の行動や認知を理解する
デザイン:使いやすさを確かめ、試作品を作る
社会福祉:生活環境、制度、地域支援との関係を考える
すべてを一人で専攻するのではありません。まず自分の基礎となる専攻を選び、D-Schoolの授業で異なる分野の学生と、現場で話を聞く、課題を整理する、試作品を作る、使ってもらう、修正する、発表するという流れを経験できます。
D-School公式サイトでも、プロジェクト科目について、複数の技能を組み合わせ、高齢者支援、医療、環境、交通などの課題に対する解決策を考える授業だと説明しています。
高校生はどのような順序で進路を考える?
台湾大学の国際学生入試で出願できる学士課程を確認する
自分の基礎となる専攻を選ぶ
学科別の授業言語、語学条件、提出書類を確認する
入学後にD-Schoolのどの科目や制度を加えたいか考える
創新領域学士学位プログラムを希望する場合は、1学年修了後の校内申請条件を確認する
「D-Schoolへ進学する」と考えるのではなく、まずどの学士課程へ進学して専門を学ぶのか、その後にD-Schoolでどのような学びを加えるのかを分けて考えることが大切です。
起業を学ぶ方法については、主専攻の選び方、創意創業学分学程、D-Schoolの科目、企業プロジェクトを分け、別の記事で詳しく紹介します。
公式情報
※この記事は2026年10月28日時点の国立台湾大学公式情報をもとに整理しています。制度、申請資格、開講科目は変更されることがあるため、申請・履修時には最新の公式情報をご確認ください。





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