金融を学ぶなら、台湾の大学も選択肢に|国立台湾大学・財務金融学系
更新日:18 分前
「金融を学びたい」と考えたとき、日本では経済学部や商学部を思い浮かべる人が多いかもしれません。台湾の大学には、企業のお金、金融市場、投資、銀行、保険、リスク管理を体系的に学ぶ「財務金融」の学科があります。
今回は、国立台湾大学の財務金融学系を例に、授業内容、経済学・会計学との違い、インターンシップ、2027年9月入学の準備を整理します。
財務金融では何を学ぶ?
財務金融は、企業のお金の使い方や、投資・金融市場の仕組みを学ぶ分野です。企業はどのように資金を集め、何に投資するのか。株式や債券の価格はどのように決まり、銀行や投資家は何を見て判断するのか。会計・経済・統計・数学を使いながら、こうしたテーマを考えます。

企業のお金:資金調達、投資判断、企業価値、M&A
市場と投資:株式、債券、証券分析、デリバティブ
金融機関:銀行、保険、金融機関経営、リスク管理
数字とデータ:統計、計量分析、プログラミング、金融モデリング
国立台湾大学・財務金融学系の学び
国立台湾大学の財務金融学系は、4年間の学士課程でBBA(経営学士)を取得するプログラムです。学位取得には129単位が必要と案内されています。
1・2年次には、ミクロ経済学、マクロ経済学、会計原理、微積分、統計、計量経済学、投資学などを学びます。3・4年次には、財務管理、財務諸表分析、先物・オプションなど、より専門的な科目へ進みます。
選択科目には、金融工学、投資銀行、証券分析、行動ファイナンス、M&A、国際財務管理、デリバティブ取引、アルゴリズム取引などがあります。基礎を学んだあと、自分の関心に合わせて金融市場、企業財務、データ分析へ広げられる構成です。
経済学系・会計学系とは何が違う?

経済学は、社会全体のお金や政策、市場の仕組みを考える分野です。会計学は、企業活動を正しく記録し、財務情報として伝える方法を深く学びます。財務金融は、それらの知識を使いながら、企業や投資家が将来に向けてどのような判断をするかに重点を置きます。
ただし、実際のカリキュラムは重なります。学科名だけで決めず、必修科目と3・4年次の選択科目を見比べることが大切です。
こんな高校生に向いています

企業がどのように資金を集め、投資するのかに興味がある
株式や債券、金融市場の仕組みを学びたい
統計やデータを使って、根拠のある判断をしたい
銀行・証券だけでなく、企業の財務部門やコンサルティングにも関心がある
アジアの企業や市場を身近に感じながら学びたい
財務金融では、統計やデータを使う授業もあります。数学に不安がある人は、高校で学ぶ内容を復習しながら、企業や投資など、自分が興味を持てるテーマと結びつけて準備していきましょう。
インターンシップで学びが仕事につながる

台湾大学の管理学院や財務金融学系の公式記事には、学生の具体的な実習経験が紹介されています。
台積電(TSMC)の財務企画部
財務金融学系の卒業生は、大学院在学中の2019年夏に台積電の財務企画部で2か月間実習しました。為替取引関連の文書確認、顧客2社の四半期報告の分析、5G産業の調査と成果発表を担当しています。金融機関だけでなく、事業会社の財務部門で財務知識を生かす例です。
第一金投信
財務金融学系の学生は、夏休みに第一金投信で実習し、将来の方向が具体的になったと振り返っています。投資学や会計の授業、金融関連資格の準備が、実務を理解する土台になったことが読み取れます。
Ipsosの市場調査
財務金融学系の学生によるIpsosでの実習では、市場調査プロジェクトに参加し、複雑なデータを整理して、顧客に伝わる提案へまとめる経験が紹介されています。数字を読む力は、金融業界だけでなく、市場調査やコンサルティングにもつながります。
インターンシップの募集企業、仕事内容、応募条件は年度によって変わります。また、国際学生が台湾で有給のアルバイトや実習をする場合は、原則として有効な就労許可が必要です。大学のキャリアセンターや国際事務処の最新案内を確認してください。
2027年9月入学の出願日程
国際学生の2027年9月入学は、次の2回が案内されています。いずれも台湾時間(GMT+8)です。
第1回:2026年9月29日11時〜11月5日16時
第2回:2026年12月1日11時〜2027年1月19日16時
出願者は最大5つの学科・研究科・コースに申請できます。ただし、複数の合格を得た場合、入学できるのは1つです。
国立台湾大学・財務金融学系の出願条件
大学全体の募集要項を確認した後は、必ず志望学科の「申請規定」も確認します。
2027年9月入学の第1回募集では、財務金融学系の学士課程について、次の条件が掲載されています。
確認項目 | 財務金融学系の案内 |
授業言語 | 中国語 |
出願時に必要な中国語 | CEFR A2以上 |
証明の例 | TOCFL 基礎級 Level 2以上、または新HSK 4級以上 |
学科が勧める中国語 | CEFR B2以上 |
学科が勧める英語 | CEFR B2以上 |
学科独自の提出書類 | 学習計画書、自伝・履歴書 |
任意提出 | 成績順位証明、審査に有利となる資料 |
面接 | なし |
最低条件のA2と、学科推奨のB2は分けて考える
中国語で授業を行う学士課程について、台湾大学全体の最低語学条件はCEFR A2以上です。財務金融学系の学科別ページにも、TOCFL基礎級Level 2以上、または新HSK4級以上が例として示されています。
一方、財務金融学系は、中国語についてCEFR B2以上を推奨しています。A2は出願時の最低条件であり、中国語で専門科目を学ぶために学科が勧める水準とは異なります。
さらに、英語もCEFR B2以上が推奨されています。財務金融では、中国語で行われる授業に加え、英語の教科書、資料、金融用語に触れる可能性があります。出願条件を満たすことだけでなく、入学後の授業を理解するために必要な中国語と英語を準備することが大切です。
中国語で前の学校を卒業した人、または中国語を主専攻として卒業した人は、証明書を提出することで中国語能力証明が免除される場合があります。英語についても、英語圏の国籍を持つ人や、英語圏で前の学位を取得した人には免除条件があります。該当する場合は、学科別ページで必要な証明を確認してください。
財務金融学系が求める書類
大学共通書類に加えて、財務金融学系は次の書類を求めています。
学習計画書
自伝・履歴書
成績順位証明(ある場合)
審査に役立つ資料(ある場合)
大学共通書類には、パスポートなどの身分証明、高校の卒業証明書または卒業見込証明書、成績証明書と成績評価方法の説明、必要な翻訳、財力証明などがあります。
財務金融学系は面接を行わないと案内しています。そのため、学習計画書と自伝・履歴書で、次の点を具体的に伝える必要があります。
なぜ財務金融を学びたいのか
企業財務、投資、金融市場、データ分析のうち、何に関心があるのか
高校でどのような数学、語学、探究活動に取り組んできたか
入学後にどの授業を学び、将来へどうつなげたいか
学科別ページまで確認する
大学全体の募集要項だけを見ると、「中国語A2以上」という最低条件までしか分かりません。
財務金融学系のページまで開くことで、中国語B2と英語B2が推奨されていること、学習計画書と自伝・履歴書が必要なこと、面接がないことを確認できます。
出願時には、次の学科別ページで最新情報を確認してください。
※ここでは2027年9月入学、第1回募集の学科別ページをもとに整理しています。第2回募集へ出願する場合も、その回の学科別ページを改めて確認してください。
高校生のうちにできる準備
企業・投資・金融市場のうち、興味のあるテーマを見つける
数学・英語・中国語で、得意なことと準備が必要なことを整理する
財務金融・経済・会計の授業内容を見比べる
企業や市場のニュースを読み、気になった点をメモする
出願書類・語学証明・推薦状などの準備時期を確認する
台湾大学全体の募集要項だけでなく、財務金融学系の学科別申請規定を確認する
「有名大学だから」ではなく、「何を学び、どのような課題を考えたいか」まで整理できると、学習計画書や面接の内容にも一貫性が生まれます。
まとめ
国立台湾大学の財務金融学系では、経済・会計・統計の基礎から、企業財務、投資、金融工学、データ分析へ学びを広げられます。学生のインターンシップ事例を見ると、その学びは銀行や証券だけでなく、半導体企業の財務部門、市場調査、コンサルティングなどにもつながっています。
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